パーキンソン病の介護
2016/09/23
パーキンソン病は進行していく神経難病ですが、パーキンソン症候群というものもあります。パーキンソン病ではうつや、認知症、幻覚、などの症状がでることもありますが、ここでは精神症状の方は割愛して身体症状の介護について書きます。
特徴的な症状
錐体外路症状のうち、振戦、固縮、無動がパーキンソンの代表的な運動症状です。と言っても分かりにくいですが、筋肉の動きが硬くなると考えてもらうと想像しやすいかと思います。表情が乏しくなり、動きも遅く、体のバランスも悪くなります。一歩目はなかなか出ないのに 動き出すと突進するように足が出でしまうという症状や、声も小さくなりますし、文字も小さく震えて書きにくくなります。
また自律神経の障害から便秘や頻尿、睡眠障害なども起こりやすくなります。うつや認知症なども起こる事があります。
介護について
病気の進行度によってかなり変わってきますが、注意するのは転倒、誤嚥、排泄障害などになります。
転倒予防:歩きはじめる前にベッドサイドで足踏みを数回してから立ち上がり、何かにつかまって歩きはじめます。最終的に歩行は困難になりますが、できるだけ運動はした方がよいです。 転倒してしまうと手もでないので骨折する可能性が高くなりますから、歩行する際は十分に気を付ける必要があります。
誤嚥予防:のどの動きが鈍くなるため飲み込みが悪くなり、むせやすくなります。病期に応じてとろみをつけたり、ゼリーで固めるなど食事形態を変えることも必要な場合があります。また食事時の姿勢も注意しましょう。
排泄介助: 便秘による腸閉塞もありますので排便コントロールが必要です。尿は頻尿から尿閉といって尿がでなくなってしまうことがあります。訴えがない場合もありますが、顔が赤い 脈が速い、8時間以上排尿がない、下腹部がポコンと膨らんでいるとなると尿閉の可能性が高いです。
このように、お世話だけでなく観察も重要になりますので入院中に家族に介護の指導をしてくれる場合もあります。
介護経験がない方がいきなりお世話するのは大変だと思います。
治療
受診するのは神経内科になります。内服の調整のために入院することがありますが、基本的に長期間の入院はできません。肺炎などの場合は対応する診療科に入院することになると思います。 病状が進んで自宅での介護が難しくなった場合は療養型病床に申し込むことになるかもしれません。
まとめ
ざっくりと説明しましたが、日々のお世話はとても体力がいります。病状が軽いうちから、公的サービスなども利用し一人で抱え込まないようにしましょう。住宅改修なども介護保険を上手に使って経済的な負担も軽減しましょう。
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